中国古典思想は現代社会でも戦力となる!その内容を詳しく紹介

中国古典思想は現代社会でも戦力となる!その内容を詳しく紹介

「温故知新」という言葉があります。現代日本でもよく使われます。昔のことをよく学び、新しい知識や道理を得ることです。中国春秋時代の思想家・孔子の教えをまとめた「論語」から発祥された言葉です。このように中国古典には、現代の日本でも生きて役立つ教えが多くあります。人間の本質を問う教えも多く、たいへん有意義な思想があふれているのです。今回は現代社会で生きるヒントになる中国古典の思想について紹介します。

中国古典とは

中国古典は実学(じつがく)の面が強いといわれています。実学は生きるうえで、役にたつ実用性がある教えです。中国古典の思想は現実の生活に密着していて、抽象的・理論的な思索だけに捉われず、現実をいかによく生きるか、どうすればよく生きていけるかを考えるヒントにあふれています。

対の思想

中国では「対の思想」が根底にあります。賢愚、性善説・性悪説、表裏など対をなす考え方があり、典型的なのが陰陽思想です。単純に対立する陰と陽という二つの異なる性質のものとして捉えるのではなく、あくまで陰と陽とを相互関連的に捉えることが重要なのです。その結果、陰陽両者の調和・安定を重んずる姿勢が生まれ、一方に偏った極端な考え方を避け、ほどよい中庸を重んずる思考に通ずることになります。次章でそのような中国古典思想が読み解ける名著を紹介します。

中国古典の名著

中国古典は名著が多くあります。そのなかから、漢文の授業などでも取り上げられることが多い3点についての紹介です。中国古典から学べることは多く、悲しいときや辛い人生を生きていくうえで大いに役立つ普遍的な真理が得られます。

論語(ろんご)

『論語』は日本で最も知られた中国古典の名著です。孔子と弟子との問答を集録した書物です。日本社会の道徳など、日本人の考え方の根幹部分になっている教えが多数載っています。一度通読してみると、厳しい現代日本のなかで、どう生きれば良いのか自分なりの答えを見つけることもできそうです。

孟子(もうし)

「孟子(もうし)」は、儒教の思想家・哲学者で、『孟子(書物)』は孟子の逸話や問答を集録したものです。『孟子』は儒教の基本書といわれています。『論語』『大学』『中庸』と並び、四書として宋時代に広く読まれました。孟子の性善説は現代日本でも考え方の基本になっています。春秋戦国時代に著されただけに、現代の厳しいビジネス社会のリーダーシップ論としても通用する教えが多数掲載されているのです。

孫子(そんし)

孫子は中国古代・春秋時代の武将で軍事思想家です。兵法書『孫子』の作者とされており、世界でも1、2を争う兵学書です。競争社会を生きるビジネスパーソン必読の書といわれ、近年とくに人気になっています。『孫子』は2,500年経過した現代でも最も優れた兵法書であり続け、過去にも「敵を知り己を知れば百戦してあやうからず」や、武田信玄の「風林火山」は孫子の教えから導かれたものです。

思想とは

ところで、「思想」の意味はと問われると、簡潔にこたえられる方はそれほど多くないはずです。実際、思想ははっきりとした形がある物体として認識されるものではなく、一般的な解釈では考え方・概念であり、それだけに捉えにくい面があるのです。

また思想というのは、もともとは頭の中で考えられたさまざまな事柄を一つにまとめたものや見解だけに、人々の生活や社会に対する見方であり在り方であって、人の生き方を全体的に規定する考えともいえます。

一方で、思想は理論や学説を示していることもあり、哲学思想や政治思想などとして使われることもあります。また日本思想・中華思想などのように民族的な思考形態や、啓蒙思想・ガンジー思想など、時代の大きなトレンドや著名な人物の考えや思いについても、○○思想として表されることはあるのです。

思想は難解?

このように思想という言葉の意味や内容は複雑で多岐にわたります。また、使用される場面も幅広く、明確に定義しにくい面があります。しかし、そのあいまいで広範な解釈が可能となることも、思想そのものがもつ性格であり、多面的な幅広い解釈こそが思想そのものともいえそうです。

まとめ

変化や競争が激しく、価値観の変化も著しい現代社会において、2,000年以上学び続けられる中国古典は汎用性が高い教えの詰まった、たいへん有意義な書物です。『孫子』は成功したビジネスパーソンの愛読書としてもよく知られています。何はともあれ、中国古典に触れてみましょう。

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